正直に言うと、これを書いている僕自身が今まさに悩んでいます。うちの保護犬・いっちゃん(21kg)は、公園に着くとまず草むらに顔を突っ込むタイプで、散歩のたびに「また食べてる…」とヒヤヒヤしています。ネットで調べても情報がバラバラで、結局どれが正しいのか分からず、モヤモヤしたまま今日に至ります。
同じように悩んでいる方のために、獣医学的に言われている理由と、保護犬ならではの事情、そして「これは病院に行くべきサイン」の見分け方を、できるだけ分かりやすく整理してみました。

まず結論だけ知りたい人へ
- 犬が草を食べる行動自体は、多くの犬に見られるごく普通の行動で、基本的に心配しすぎなくて大丈夫です
- 頻繁な嘔吐、血便、食欲不振を伴う場合や、除草剤が疑われる草を食べた場合はすぐ動物病院へ
- 保護犬の場合、不安やストレス、過去の栄養状態が関係しているケースがあるので、行動の背景まで見てあげると安心です
「うちの子は大丈夫かな」と不安になったら、まずこの3つだけ確認してもらえたらと思います。ここから先は、それぞれもう少し詳しく書いていきます。
犬が草を食べる理由、実はひとつじゃない
僕も最初は「お腹が痛いから草を食べて吐いてるんだ」と単純に思っていました。でも調べていくと、獣医学的にもまだ「これが正解」という決定的な答えは出ていないようです。いくつかの説を、僕なりの実感も交えて紹介します。
胃の不調を和らげようとしている説
一番よく聞くのがこの説です。草の繊維が胃を刺激して嘔吐を誘発し、不快感を解消しようとしているという考え方。ただ、うちのいっちゃんは草を食べても吐かないことも多く、「食べる→必ず吐く」というわけではなさそうです。この説だけで全部を説明しようとすると、たぶん無理があります。
食物繊維や栄養素が足りていない説
フードだけでは摂れない食物繊維やミネラルを、草から補おうとしているという説。便が緩めがちな犬に多い傾向があるとも言われていて、これは個人的に一番「あるかも」と思っている説です。
単純においしい、楽しいから
犬にとって草の匂いや歯ごたえ自体が刺激的で、ただ楽しんでいるだけというケースも多いです。いっちゃんは雨上がりの柔らかい草を選んで食べるので、これは正直、味を楽しんでるだけな気がしています。
暇や不安を紛らわせるため
散歩中に刺激が少なくて暇だったり、逆に不安や緊張を紛らわせるために草を口にする犬もいます。ここが、保護犬と暮らす僕たちにとって一番見逃したくないポイントです。
保護犬だからこそ、ここは気にしてあげたい
保護犬は、これまでの生活環境や過去の経験によって、一般的な家庭犬とは違う背景を抱えていることが少なくありません。草を食べる行動の裏に、こんな事情が隠れている場合があります。
不安を紛らわせる「代償行動」かもしれない
新しい環境に慣れるまで時間がかかる保護犬は、その不安を紛らわせるために何かを口にし続けることがあります。もし迎えてまだ間もない時期で、震えや隠れる行動、過剰な吠えなど他の不安サインも一緒に見られるなら、「草が好き」というより「不安だから口にしていたい」の可能性も考えてみてください。僕自身、いっちゃんが来た最初の数ヶ月は何でも口にする傾向が強く、今より頻度が高かった気がします。
保護時の栄養状態や消化器の弱さ
保護される前に十分な栄養を摂れていなかったり、環境が悪かった犬は、消化器がもともと弱かったり腸内環境が乱れていたりすることがあります。迎えたばかりの時期に草を食べたり便の状態が安定しない場合は、「まだ体が新しい生活に慣れていないんだな」くらいの心構えで見てあげると、こちらの気持ちも少し楽になります。
食べ物への執着が強く出るケース
十分な食事を得られなかった経験のある犬は、食べ物全般への執着が強く出ることがあります。草を食べる行動も、この「何でも口にしてしまう」傾向の延長かもしれません。散歩中に落ちているものを何でも口に入れてしまう、といった行動が他にもないか、あわせて見てあげると理解が深まると思います。
これは病院に行くべき?危険なサインの見分け方
正直、ここが一番知りたいところだと思うので、はっきり書きます。以下に当てはまる場合は、様子見せず動物病院に相談してください。
- 急に頻度が増えた、または毎回のように嘔吐する:胃腸炎や誤食、慢性的な消化器疾患の可能性があります
- 除草剤や農薬が使われていそうな草を食べた:公園や河川敷、他人の敷地の草には除草剤が撒かれている場合があります。嘔吐、下痢、よだれ、ふるえなどの症状が出たら、迷わずすぐに病院へ連絡してください
- 草を食べた後に血が混じった便や嘔吐がある:寄生虫感染や消化器の炎症など、より深刻な問題のサインかもしれません
- 食欲不振や体重減少を伴う:単なる嗜好行動ではなく、内臓疾患の可能性を考えて、早めに受診したほうが安心です
反対に、これらのサインが何もなく、いつも通り元気で食欲もあるなら、過度に心配しなくて大丈夫というのが多くの獣医師の見解です。
気になるときにできる、5つの対処法
草を食べる行動を完全にやめさせる必要はありませんが、心配な場合はこんな工夫ができます。
- 危険な場所ではリードでコントロールする:除草剤の可能性がある場所や、他の犬・野生動物のフンがありそうな場所では、口を離すよう声をかける習慣をつけましょう
- 食事内容を見直してみる:食物繊維が足りていないか、獣医師やペットフードアドバイザーに一度相談してみるのも手です
- 散歩中の刺激を増やす:暇からくる行動なら、匂い探しゲームやおもちゃを取り入れることで落ち着く場合があります
- 安全なペットグラス(犬草)を室内に用意する:外の草の安全性が気になるなら、栄養価が調整された市販のペットグラスを自宅で育てて与えるのも安心な選択肢です
- 不安が原因なら、無理に止めない:保護犬の場合、行動を無理に制止するとさらに不安を強めてしまうことがあります。まずは安心できる環境づくりを優先し、必要なら行動診療に詳しい獣医師に相談してみてください
よくある質問
Q. 犬が草を食べるのは病気のサインですか? 多くの場合は正常な行動です。ただし頻繁な嘔吐や血便を伴う場合は、動物病院への相談をおすすめします。
Q. 保護犬が草を食べやすいのはなぜですか? 過去の環境によるストレスや消化器の弱さ、食べ物への執着が影響している場合があります。迎えてから間もない時期は特にその傾向が出やすいです。
Q. 草を食べた後に吐いたら、すぐ病院に行くべき? 1回だけで他に症状がなければ、まずは様子を見て大丈夫なことが多いです。頻繁に繰り返す、血が混じる、元気がないといった場合は受診してください。
まとめ
犬が草を食べる行動には、胃の不調、栄養補給、嗜好、暇や不安など、いくつもの理由が考えられます。多くの場合は深刻な問題ではありませんが、保護犬の場合はこれまでの生活背景から来るストレスや消化器の弱さが関係していることもあるので、「うちの子はどんなタイミングで、どんな様子で草を食べているか」を日々見てあげることが一番の安心材料になると思います。
僕自身、いっちゃんの行動を見ながらまだ手探りで向き合っている最中です。同じように悩んでいる方にとって、この記事が少しでも安心材料になれば嬉しいです。もし嘔吐や下痢、食欲不振などの症状があれば、迷わず動物病院に相談してくださいね。
この記事を書いた人
HAYATO|元保護犬いっちゃんの飼い主
2023年、生後2ヶ月で保健所に収容されたいっちゃんを保護団体から譲渡してもらい、東京で一緒に暮らし始める。
保護犬を迎える前の不安・慣れるまでの苦労・都内でのお出かけスポット探しを、すべてリアルに体験してきた飼い主として、「迷っている人」「飼い始めた人」に役立つ情報を発信中。
📍 東京在住
🐾 いっちゃん(雑種・推定2023年生まれ・元保護犬)
📝 保護犬を迎えてからの実体験をもとに記事を執筆
🏞️ 週3〜4回、都内公園を中心に実地取材

