はじめに
「保護犬を迎えたい」と思ったとき、多くの人が「保健所」と「動物愛護団体」の違いを正確に理解していないことがあります。私もよく分かっていないので、確認して記事を書いてみました。
✔ 保健所と動物愛護団体では、運営主体や役割、犬の扱い方が大きく異なります。
✔ この記事では、それぞれの本来の役割や歴史、活動の違いについて詳しく解説します。
1. 保健所とは?
(1) 本来の役割
保健所は、国や自治体(都道府県・市区町村)が運営する公的機関で、以下のような公衆衛生の管理を主な目的としています。
✔ 感染症予防・衛生管理(飲食店の検査など)
✔ 生活環境の安全管理
✔ 動物愛護・管理(迷い犬・野良犬の対応)
つまり、保健所は「犬の保護が目的の施設」ではなく、行政の一環として動物管理を行う施設です。
(2) 保健所における動物管理の歴史
日本では、1950年に制定された「狂犬病予防法」によって、犬の管理が自治体の役割となりました。
1950年代当時、狂犬病のまん延防止を目的に、飼い主のいない犬は捕獲され、保健所で処分される仕組みが確立されました。
✔ 1973年:「動物の保護及び管理に関する法律(現:動物愛護管理法)」が成立
✔ 1999年:「動物愛護管理法」の改正により、「殺処分の削減」が目標に
✔ 2022年:多くの自治体が「殺処分ゼロ」を目指し、譲渡活動を強化
つまり、現在の保健所は「犬を処分する施設」ではなく、「犬を可能な限り新しい飼い主へ譲渡する施設」へと役割が変化しています。
(3) 保健所に引き取られる犬
✔ 迷子犬(飼い主が見つからない犬)
✔ 飼育放棄された犬(飼えなくなったと持ち込まれる)
✔ 野良犬(地域で捕獲された犬)
✔ 負傷して引き取られた犬
収容期間が定められており、一定期間が過ぎると殺処分の対象になる可能性があります。
飼い主から持ち込まれた犬は令和4年だと約2,500頭もいました。
飼い主不明で引き取られた頭数、約20,000頭と比較すると少ないですが、10%を超えています。
しかし、近年は動物愛護団体との連携が進み、譲渡活動に力を入れる自治体も増えています。
2. 動物愛護団体とは?
(1) 動物愛護団体の役割
✔ 動物愛護団体は、主に民間の非営利組織(NPOやボランティア団体)が運営
✔ 殺処分ゼロを目指し、保護犬の譲渡活動を行う
✔ 寄付やボランティアの支援で運営されている
動物愛護団体は、保健所で処分される可能性のある犬を引き取り、新しい飼い主を見つける活動を行っています。
また、犬の医療ケアやリハビリ、しつけなども行いながら、適切な環境での飼育を促進しています。
(2) 保護犬を譲渡する仕組み
✔ 保健所から引き取った犬を保護し、譲渡先を探す
✔ 飼育放棄や虐待された犬を救出し、治療・リハビリを行う
✔ 譲渡条件を厳しく設定し、犬が幸せに暮らせる環境を確保する
動物愛護団体では、「誰でも簡単に譲渡する」という仕組みではなく、厳格な審査を行うことで「終生飼育」を確実にすることが特徴です。
3. 保健所と動物愛護団体の違いを比較
比較項目 | 保健所 | 動物愛護団体 |
---|---|---|
運営主体 | 自治体(国・県・市) | NPO・ボランティア団体 |
目的 | 動物の管理 (迷子犬・放棄犬の対応) | 保護犬の譲渡促進 |
収容期間 | 短期間(数日~1週間) | 期限なし(譲渡先が決まるまで) |
殺処分の可能性 | あり(ただし年々減少) | なし |
譲渡の審査 | 比較的緩やか | 厳格(家庭環境の確認など) |
譲渡費用 | 無料〜低額 | 医療費・活動費がかかる (数万円) |
4. どちらから保護犬を迎えるべき?
私個人の意見としては、初めて犬を飼う方は信頼できる動物愛護団体、または保護団体から迎えた方が良いと思います。
✔ 「今すぐ保護犬を救いたい」「殺処分される前に助けたい」→ 保健所の譲渡プログラムを利用する
✔ 「犬の性格やしつけの状況を把握して迎えたい」→ 動物愛護団体・保護団体から迎える
保健所は収容期間が短く、殺処分される可能性があるため、保健所から直接迎えることで命を救うことができます。
一方、動物愛護団体では、健康管理やトレーニングが行われた犬を迎えられるため、初心者でも安心です。
動物愛護団体とサイト・アプリ経由で連絡を取ることができる、いくつかのサイトをご紹介します。
1. ペットのおうち(Pet Home)
🔹特徴
✔ 日本最大級のペットマッチングサイト
✔ 個人と団体の両方が里親募集を掲載
✔ 犬だけでなく猫や小動物の里親募集もある
🔹サイトの使い方
- 「犬を探す」メニューから、地域や犬種、性別などの条件で検索
- 里親募集の詳細ページで性格や健康状態を確認
- 応募フォームを通じて里親希望を申し込む
- 面談やトライアル期間を経て正式譲渡
🔹URL
🔗 ペットのおうち
2. OMUSUBI(お結び)
🔹特徴
✔ 動物愛護団体のみが掲載(個人の募集はなし)
✔ 各団体が審査されているため信頼性が高い
✔ 「お見合い機能」があり、気になる犬に直接アプローチできる
🔹サイトの使い方
- 「犬を探す」ページから条件検索
- 気になる犬の詳細を確認し、応募ボタンをクリック
- 団体と面談やトライアルを実施
- 正式譲渡が決定したら、契約を結ぶ
🔹URL
🔗 OMUSUBI
3. ハグー(Hagoo)
🔹特徴
✔ 全国の動物愛護団体と連携して里親募集を掲載
✔ 犬以外にも、猫・うさぎ・フェレットなども検索可能
✔ 里親になるための心構えや飼育方法の記事が充実
🔹サイトの使い方
- トップページから「犬の里親募集」を選択
- エリアや犬種で検索して、気になる犬をチェック
- 掲載団体へ問い合わせをして、譲渡の流れを確認
- 必要な手続きを経て譲渡完了
🔹URL
🔗 ハグー
4. ジモティー(JIMOTY)
🔹特徴
✔ 地元の里親募集情報が見つかりやすい
✔ 個人の募集も多く、犬種や年齢のバリエーションが豊富
✔ 地域密着型で交通費や移動の負担が少ない
🔹サイトの使い方
- 「ペットの里親募集」カテゴリから「犬」を選択
- 地域を指定して検索
- 投稿者へ直接メッセージを送り、詳細を確認
- 譲渡の条件を確認し、受け渡しを調整
🚨 注意点 ジモティーは個人間の取引が多いため、譲渡条件や犬の健康状態をしっかり確認することが重要。
🔹URL
🔗 ジモティー
5. 保健所・動物愛護センターの公式サイト
🔹特徴
✔ 各自治体の公式サイトで、保護犬の里親募集情報を掲載
✔ 保健所に収容された犬が、新しい飼い主を探しているケースが多い
✔ 自治体によっては譲渡条件が厳しく設定されている
🔹サイトの使い方
- 「○○県 動物愛護センター 里親募集」で検索
- 掲載されている保護犬の情報を確認
- 自治体の指示に従い、面談や譲渡手続きを進める
🚨 注意点
- 一定期間が過ぎると殺処分の対象になる場合もあるため、早めのアクションが必要
- 一部の自治体では、譲渡会に参加しないと譲渡不可の場合もある
🔹URL例
(各自治体ごとに異なるため、一例を紹介)
6. いつでも里親募集中
🔹特徴
✔ 20年以上の運営実績があり、信頼できる里親募集サイト
✔ 全国の動物保護団体や個人が掲載
✔ 里親になるための基礎知識や注意点の解説が豊富
🔹サイトの使い方
- 「犬の里親募集」を選択し、検索
- 譲渡条件を確認し、応募フォームを送信
- 譲渡会やお見合いを経て、譲渡が決定
🔹URL
7. ワン’sパートナーの会
🔹特徴
✔ 愛知県を拠点に活動する保護団体
✔ 里親募集だけでなく、保護活動や犬の預かりボランティアの情報も掲載
✔ 地域密着型でサポートが手厚い
🔹サイトの使い方
- 譲渡可能な犬の一覧を確認
- 里親希望者向けの説明をよく読み、申し込む
- 面談やトライアルを経て正式譲渡
🔹URL
8. ピースワンコ・ジャパン
🔹特徴
✔ 殺処分ゼロを目指し、全国で保護犬の譲渡活動を行う団体
✔ 里親募集のほか、預かりボランティアや寄付での支援も可能
✔ 里親希望者向けの事前相談が充実
🔹サイトの使い方
- 里親募集中の犬を検索
- 里親希望の申し込みを行う
- 譲渡会やトライアルを経て、正式譲渡
🔹URL
5. まとめ
保健所と動物愛護団体は、どちらも「犬を救う」活動をしていますが、役割は異なります。
✅ 保健所は、行政が運営する公的機関で、動物管理が主な目的。
✅ 動物愛護団体は、民間の団体が運営し、殺処分ゼロを目指して積極的に譲渡活動を行う。
保護犬を迎える際は、どちらが自分に合っているかを考えて選ぶことが大切です。
「保護犬を迎えたい」と思ったら、まずは地元の保健所や動物愛護団体の情報をチェックしてみましょう!