「保護犬を迎えたい」と思ったとき、最初に壁になるのが里親の条件です。
「年齢制限がある」「一人暮らしはダメ」「子どもがいるとNG」——ネットで調べると厳しい条件ばかりが出てきて、「自分には無理かも」と諦めた人も多いと思います。
実際のところはどうなのか。私はちばわん(千葉県を中心に活動する保護犬団体)に「ペットのおうち」というアプリを通じて申し込み、自宅訪問も経て、いっちゃんを迎えました。
この記事では、一般的な条件の話だけでなく、実際に申し込んでみてどうだったかを正直に書きます。「審査が怖くて踏み出せない」という方に特に読んでほしい内容です。
保護犬の里親になるための一般的な条件
まず全体像を整理します。条件は保護団体・保健所・愛護センターによって異なりますが、よく見られる項目はこれです。
居住環境
- ペット飼育可能な住居であること(賃貸の場合は許可証・契約書の確認を求められることが多い)
- 室内飼育が基本(玄関・ベランダは室内に含まれない)
- 一戸建て・マンション問わず対象になることがほとんど
年齢・家族構成
- 申込者が成人であること
- 終生飼育ができる年齢であること(高齢の方の場合、万が一のときの引き取り手を求められることがある)
- 家族全員の同意があること
- 幼児がいないこと(私の場合は、小学生低学年の子がいたので、その点を聞かれました。保護犬の中には子どもが苦手な子も多いので)
経済的・時間的条件
- 医療費・食費などの飼育費用を負担できること
- 犬と過ごす時間が十分に取れること(長時間の一人留守番が毎日続く環境はNGとされることが多い)
その他
- マイクロチップの装着・登録に同意できること
- 不妊・去勢手術に同意できること(未実施の場合)
- 定期的な近況報告ができること(LINEなどで大丈夫です)
- 飼育困難になった場合は団体に連絡し、勝手に譲渡・遺棄しないこと
「条件が厳しすぎる」と感じる前に知っておくこと
ネットには「子どもがいるからNG」「一人暮らしは無理」という声がたくさんあります。
ただ、実態は団体によってかなり違います。
厳しい団体は本当に厳しい。一方で、家族構成や居住形態よりも「この人はちゃんと責任を持って飼えるか」という人物面を重視する団体も多くあります。
重要なのは「条件の一覧に当てはまらないから諦める」のではなく、気になる団体に直接問い合わせてみることです。条件表に書いてあることと、実際の審査で重視されることは必ずしも一致しません。
実際にちばわんに申し込んでみた話
きっかけは「ペットのおうち」というアプリ

保護犬を迎えようと決めてから、最初に使ったのが「ペットのおうち」というアプリです。
全国の保護団体・個人ボランティアが保護犬の情報を掲載しているマッチングサービスで、犬種・地域・年齢などで絞り込んで探せます。
アプリを見ていたときにいっちゃんの写真を見つけました。掲載していたのがちばわんのボランティアさんでした。
申し込みの流れ(ちばわんの場合)
STEP1:アプリ上でメッセージを送る
いっちゃんの掲載ページから、ボランティアさんに直接メッセージを送りました。「ぜひお話を聞かせてください」という内容で、最初は気軽なメッセージでした。
STEP2:質問事項の記入
ボランティアさんからメールでの案内がありました。アプリ上で入力した情報も含めると、伝えた内容は主に以下です。
- 家族の人数
- 氏名・年齢
- 居住形態(持ち家・賃貸の別、ペット可かどうか)
- 犬の飼育経験の有無
- 他に犬や猫を飼っているか
- 現在の生活スタイル(在宅時間・勤務状況など)
- 迎えた犬をどのように育てたいか
特に「なぜ保護犬を迎えたいのか」「どんな生活をさせてあげたいか」という部分は、自分の言葉でしっかり書くことをおすすめします。ここに気持ちが伝わるかどうかが重要だと感じました。
私はもともとアウトドアが好きなので、ボランティアさんに、キャンプやスキーに一緒に連れて行ってあげたい。たくさん公園に連れて行ってあげたいと伝えました。あとあと聞いた話では、その点が譲渡が決まった一つのポイントでした。
STEP3:ボランティアさんとのやり取り
質問回答後、ボランティアさんから一回会いに来ますか、と、ご自宅に誘っていただきました。土曜に時間を2時間とっていただきました。
基本的には持って行った方が良いです。心象は良いですし、ボランティアさんに時間をとってもらっているので。わんこ用にトイレシート、犬用おやつを持っていく、でも良いですが、まだ犬を飼ったことがない場合は何を購入すれば良いかわからないので、お茶菓子がおすすめです。
お茶を出してくれる場合があるので、その際に一緒に食べられるもの、という感じです。
STEP4:自宅訪問
ちばわんの場合、自宅訪問があります。
ボランティアさんが実際に自宅を訪問して、飼育環境を確認します。私は正直少し緊張しました。「部屋が狭いとか言われたらどうしよう」と思っていたんです。
でも実際の訪問は想像より穏やかでした。
部屋の広さよりも、「犬が安全に過ごせる環境か」「危険なものはないか」「家族全員が迎えることに前向きか」という点を確認しているような印象でした。ボランティアさんが親切で、訪問中にいっちゃんのことをたくさん教えてもらいました。
STEP5:トライアル開始
自宅訪問の後、問題がなければトライアル期間に入ります。ちばわんの場合は約1ヶ月のトライアルを経て、正式譲渡の流れになります。
→ トライアルから正式譲渡までの詳しい流れ:保護犬の正式譲渡までの流れと手続き全まとめ
審査で落ちないためのポイント
審査で重要だと感じたことをまとめます。
① 正直に書く
条件に不安があっても、嘘をついたり情報を隠したりするのは逆効果です。「賃貸で10kgまではペット可」「留守番時間が長いので対策を考えている」など、正直に状況を伝えた上で「だからこういう対策をします」と書くほうが信頼されます。
② 家族全員の同意を示す
団体が気にするのは「家族の誰かが反対していないか」という点です。応募フォームや面談で、家族全員が積極的に賛成していることを伝えてください。
③ 「終生飼育の覚悟」を具体的に伝える
「最後まで責任を持ちます」という言葉は誰でも書けます。「何かあったときは〇〇に相談できる」「引っ越しの可能性があるが、その場合も必ずペット可の物件を選ぶ」など、具体的なエピソードや対策があるほど伝わります。
④ その犬を選んだ理由を書く
「かわいかったから」ではなく、「この子の性格や背景を知った上でうちに迎えたいと思った」という理由が書けると強いです。応募前に掲載ページをよく読み込んでおきましょう。
保護犬を探す主な方法
民間保護団体から探す
- ペットのおうち(アプリ・Web):全国の保護団体・個人ボランティアが掲載。使いやすくて情報量が多い。私もここでいっちゃんを見つけました。
- 保護団体の公式サイト・SNS:気になる団体を直接フォローして、定期的にチェックする。
行政(保健所・愛護センター)から探す
各都道府県の動物愛護センターや保健所でも保護犬の譲渡を行っています。民間団体より条件が緩い場合があり、費用も安い(または無料)ことが多いです。
ただし、社会化トレーニングが十分でない子も多く、初めて犬を飼う方には民間団体のほうがサポートが手厚いケースがあります。
譲渡会に参加する
各保護団体が定期的に開催している譲渡会に参加する方法もあります。実際に犬と会ってから応募できるので、相性を確かめやすいのがメリットです。
ちばわんも定期的に譲渡会を開催しています。公式サイトやSNSでスケジュールを確認してみてください。
申し込みから迎えるまでにかかる費用
費用は団体によって大きく異なります。ちばわんの場合の参考として:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 医療費一部負担金 | ワクチン・マイクロチップ等の医療費の一部を負担 |
| 交通費 | ボランティアさんが自宅訪問する際の実費 |
| トライアル中止の場合 | 医療費負担金から交通費等を差し引いて返金 |
| 正式譲渡後 | 医療費負担金:30,000円(当時) |
ペットショップで犬を購入する場合の数十万円と比較すると、費用は大幅に少ないです。ただし、迎えた後のフード代・医療費・グッズ代は自己負担なので、継続的な費用の準備は必要です。
注意点は、保護犬は無料ではないことです。なんとなく、安いからという理由で保護犬を選ぶと後悔します。
よくある質問
- Q一人暮らしでも里親になれる?
- A
団体によります。一人暮らしを一律NGにしている団体もありますが、「一人暮らしでも応募可」としている団体も増えています。まず気になる団体に問い合わせてみてください。
- Q子どもがいても大丈夫?
- A
これも団体によります。子どもがいる家庭を歓迎している団体も多くあります。ただし「小さな子どもと犬が安全に共存できる環境か」という観点でチェックされることはあります。
- Q賃貸でも里親になれる?
- A
ペット可の物件であればなれます。ペット不可の物件の場合は、まず大家・管理会社への許可取得が先決です。許可を取得できれば、その証明を提出することで応募できる団体も多くあります。
- Q審査にどのくらいかかる?
- A
団体によって異なりますが、応募から自宅訪問・トライアル開始まで数週間〜1ヶ月程度が一般的です。人気の子には複数の応募が入ることもあるため、早めに動くのがおすすめです。
- Qトライアル中に「やっぱり無理」となったら?
- A
トライアルはそのための期間です。犬との生活が難しいと判断した場合は、団体に連絡してください。返却できる仕組みになっているので、無理に続ける必要はありません。ただし勝手に別の人に譲渡したり、遺棄することは絶対にNGです。
トライアルに出たわんこは毎回慣れない環境でストレスがかかります。安易な気持ちでトライアルを繰り返すと犬の負担になってしまいます。病気や環境の変化でどうしてもダメ、という場合はありますが、なるべく事前によく考えてくださいね。
まとめ:条件より先に「問い合わせてみる」
保護犬の里親条件は、ネットで見ると確かに厳しく感じます。
でも実際に申し込んでみて感じたのは、「条件の一覧よりも、人と人のやり取りで決まっている部分が大きい」ということです。
審査は選別ではなく、「この犬とこの家族が合うか」を一緒に確認する場だと思います。ちばわんのボランティアさんは怖い審査官ではなく、いっちゃんのことを本当に大切に思っているご縁つなぎの人でした。
「条件を全部クリアできるかわからない」と思っていても、まず問い合わせてみてください。それが最初の一歩です。
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