「保護犬ってどれくらいで慣れますか?」
これは保護犬を迎えた人が
最もよく聞かれる質問のひとつです。
正直に答えます。
「慣れた」という瞬間は、ありませんでした。
気づいたら慣れていた。
気づいたら当たり前になっていた。
この記事では、正式譲渡後のいっちゃんが
どのように変化していったかを
1ヶ月・3ヶ月・半年・1年の時系列で
全部正直に書きます。
「うちの子、全然慣れない」と不安な方に
読んでもらいたい記事です。
・正式譲渡後1ヶ月のリアルな様子
・3ヶ月で起きた変化
・半年〜1年で「完全に家族になった」と感じた瞬間
・慣れるまでの期間の目安と個体差の話
正式譲渡後1ヶ月|慣れてきたようで、まだまだだった
正式譲渡が終わり、いっちゃんは法律的にも
我が家の家族になりました。
でも、いっちゃんにとっては関係ありません。
書類が変わっても、暮らしは昨日と同じです。
【食事】
この頃はよく食べていました。
トライアル初日にご飯を食べなかったのが
嘘のように、毎回完食。
食欲という意味では、すでに安心していたのだと思います。
【トイレ】
まだ外でしか用を足しませんでした。
室内でのトイレはほぼゼロ。
「散歩に行かないとトイレができない」という状態だったので
雨の日も風の日も、1日2回の散歩は欠かせませんでした。
これはきつかったです(笑)
でも保護犬、特に外での生活経験がある子は
外でしかトイレをしない子が多いと聞きました。
いっちゃんもそのパターンでした。
【散歩】
散歩自体は好きになっていましたが、
自転車の音・子供の甲高い声に
まだとても敏感でした。
音を聞くたびに立ち止まって固まる。
私たちも最初は「どうするんだろう」とおろおろしていて、
車や自転車が来るたびに一緒に止まって
通り過ぎるのを待つスタイルで対応していました。
今思うと、私たちも慣れていなかったんです。
いっちゃんが怖がるたびに
私たちも緊張していました。
犬はその空気を敏感に感じ取ります。
「飼い主が慣れることも大事」と
この頃実感しました。
【家族との距離感】
リビングでは家族の輪の中にいられるようになりましたが、
まだ子どもたちが急に動いたり
大きな声を出すと、さっとクレートに戻ることがありました。
3ヶ月|家の中で「自分の居場所」ができてきた
3ヶ月が経つ頃、はっきりと変化を感じました。
「あ、慣れてきたな」ではなく
「あ、うちの子になってきたな」という感覚でした。
【家の中での様子】
リビングでくつろぐ時間が増えました。
以前はクレートか、リビングの端のほうにいることが多かったのが、
この頃から家族のいる場所の近くにいるようになりました。
特に変化を感じたのが、子どもたちとの関係です。
最初の頃、子どもたちはいっちゃんが可愛くて
触りたい・抱きたい・一緒に遊びたいという気持ちから
ちょっとベタベタしすぎていました。
でも3ヶ月経つ頃には、子どもたちが
いっちゃんの「今は構ってほしくない」という
空気を読めるようになっていました。
無理に触らない。
そっとそばにいる。
いっちゃんが来たときだけ撫でる。
その自然な距離感が生まれたことで、
いっちゃんも子どもたちのそばにいる時間が
自然と増えていきました。
一緒に過ごすことを「選ぶ」ようになったんです。
【散歩】
自転車や子供の声への反応は
まだゼロにはなりませんでしたが、
立ち止まる時間が短くなりました。
私たちも「止まって待てばいい」と
わかってきて、焦らなくなりました。
飼い主が落ち着いていると
いっちゃんの回復も早いことに気づきました。
半年〜1年|家全体が「いっちゃんの家」になった
半年を過ぎた頃から、いっちゃんの行動範囲が
大きく広がりました。
【居場所の変化】
最初はリビングのクレートだけが
いっちゃんの「安心できる場所」でした。
それが半年を過ぎた頃から、
階段の踊り場・寝室のベッドの上でも
くつろぐようになっていました。
気づいたら、いっちゃんに
時間帯によって「定位置」ができていました。
朝:リビングのクレート周辺
昼:階段の踊り場(ひんやりしていて気持ちいいらしい)
夜:寝室のベッドの上
自分で一番心地いい場所を選んで
移動しながら過ごしているんです。
「家全体を自分の家だと思っている」
その証拠だと思いました。
【ベッドで一緒に寝るようになった】
寝室のベッドに来るようになったのは
半年を過ぎた頃からでした。
最初は足元のほうにそっと来て、
朝起きると横で寝ていた、という感じ。
それがだんだん当たり前になって、
今では毎晩一緒に寝ています。
【朝、手を舐めて起こしてくれる】
これが一番の変化かもしれません。
朝ごはんの時間になると、
いっちゃんが私の手をぺろぺろと舐めて
起こしてくれるようになりました。
最初にこれをされたとき、
思わず笑いました。
「もう、完全に家族だな」と思った瞬間でした。
要求してくれるということは、
「この人に言えば叶えてもらえる」という
信頼関係ができた証拠です。
初日に部屋の隅で固まっていたいっちゃんが、
自分から手を舐めて「ごはんまだ?」と
起こしに来るようになるまで、約1年でした。
1ヶ月・3ヶ月・1年の変化まとめ
整理するとこうなります。
【食事】
1ヶ月:毎回完食。食欲は早い段階で安定した
3ヶ月:変化なし。安定継続
1年:おやつの要求が増えてきた(笑)
【トイレ】
1ヶ月:ほぼ外のみ。室内トイレはできない
3ヶ月:少しずつ室内でもできるようになり始める
1年:雨の日は室内でもOKに
【散歩】
1ヶ月:自転車・子供の声で固まる。飼い主も一緒に止まって待つ
3ヶ月:立ち止まる時間が短くなる。飼い主も落ち着いてきた
1年:苦手な音はあるが引きずらなくなった
【居場所】
1ヶ月:リビングのクレートのみ
3ヶ月:リビング全体でくつろげるようになった
1年:朝リビング・昼階段・夜寝室と自分でローテーション
【家族との距離感】
1ヶ月:子どもが動くとクレートに戻る
3ヶ月:子どもたちが関わり方を覚えて自然な距離感に
1年:自分から膝に乗ってくる・手を舐めて起こしてくれる
「慣れた」のは犬だけじゃなかった
「保護犬が慣れるまで何ヶ月かかりますか?」
この質問、実は少しズレていると
今、思っています。
変わったのは、いっちゃんだけではありませんでした。
私たちも変わっていました。
1ヶ月目、自転車が来るたびに
私たちもいっちゃんと一緒に立ち止まって
ドキドキしながら通り過ぎるのを待っていました。
いっちゃんが怖がると、私たちも緊張する。
私たちが緊張すると、いっちゃんがさらに怖がる。
そのループがありました。
3ヶ月経つ頃、変わったのはいっちゃんより
先に私たちでした。
「止まって待てばいいだけ」とわかった。
「この子はこういう子だ」と受け入れられた。
「今日はできなくても明日でいい」と思えるようになった。
飼い主の気持ちが落ち着いたとき、
いっちゃんの回復も早くなりました。
子どもたちも同じです。
最初はベタベタしすぎていたのが、
いっちゃんのペースを読めるようになった。
「今は来てほしくない」という空気を
感じ取れるようになった。
いっちゃんが変わったのか、
私たちが変わったのか。
たぶん両方です。
でも先に変わったのは、私たち側だったと思います。
「保護犬がなかなか慣れない」と感じているなら、
一度、自分たちの関わり方を
見直してみてください。
犬は飼い主の鏡です。
私たちが落ち着いたとき、
いっちゃんも落ち着いていきました。
慣れるまでの期間を短くするためにできること
経験から言える、効果があったことをまとめます。
【①生活リズムを一定にする】
散歩の時間・ご飯の時間・就寝時間を
できるだけ毎日同じにする。
「次に何が起きるか」が予測できると
犬の不安が減ります。
【②飼い主が落ち着いている】
犬は飼い主の感情に敏感です。
いっちゃんが怖がるたびに私たちも
緊張していた1ヶ月目と、
「止まって待てばいい」と落ち着いてきた3ヶ月目では
いっちゃんの回復速度が全然違いました。
【③「来てくれるのを待つ」姿勢を保つ】
こちらから近づくより、
犬が自分から来るのを待つほうが
信頼関係は早く育ちます。
焦って距離を縮めようとしないこと。
【④家族全員が同じ関わり方をする】
子どもたちがベタベタしすぎていた時期は
いっちゃんも落ち着かなそうでした。
家族全員で「いっちゃんペースに合わせる」を
共有できてから、関係が安定しました。
【⑤記録をつける】
変化に気づくために、週1回でも
写真や一言メモを残しておくことをおすすめします。
「全然変わらない」という焦りを和らげてくれます。
まとめ|慣れるまでの期間より大切なこと
正式譲渡から約1年。
いっちゃんは今、朝になると手を舐めて
私を起こしにきます。
初日に部屋の隅で固まって
ご飯も食べなかった子が、です。
「慣れるまでどれくらいかかりますか?」
その答えは「人それぞれ」ですが、
確実に言えることがあります。
諦めなければ、必ず変わります。
毎日そこにいてあげること。
ペースを尊重すること。
それだけで十分です。
いっちゃんが証明してくれました。
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👉 保護犬を迎えるまでの流れ【ちばわんでの実体験を全公開】
👉 保護犬トライアル前にやること全部【準備リストと費用・いっちゃんとの初対面】
👉 トライアル1日目|初日のリアル記録
👉 トライアル2日目|保護犬いっちゃんに小さな変化が起きた日
👉 トライアル3日目|少しずつ慣れてきた?信頼関係の第一歩
👉 トライアル7日目|1週間を振り返って見えた成長と課題
👉 【保護犬トライアル中】よくあるQ&Aまとめ10選
👉 [保護犬が震える・怖がる 原因と対処法](※作成予定)
この記事を書いた人
HAYATO|元保護犬いっちゃんの飼い主
2023年、生後2ヶ月で保健所に収容されたいっちゃんを保護団体から譲渡してもらい、東京で一緒に暮らし始める。
保護犬を迎える前の不安・慣れるまでの苦労・都内でのお出かけスポット探しを、すべてリアルに体験してきた飼い主として、「迷っている人」「飼い始めた人」に役立つ情報を発信中。
📍 東京在住
🐾 いっちゃん(雑種・推定2023年生まれ・元保護犬)
📝 保護犬を迎えてからの実体験をもとに記事を執筆
🏞️ 週3〜4回、都内公園を中心に実地取材
